私たちは、仕事や日常生活の中で様々な課題に直面します。
今は、心理学やコミュニケーションの方法などについて、本やネットなどで気軽に情報を得られるようになりました。
そのため、私が全国の企業様や個人の方向けに研修やカウンセリングを行う中でも、モヤモヤした気持ちや悩みに対して、まだ「人に相談して解決する」ことや「カウンセリング」を活用するという考えになる人が少ないように感じます。
今回は、私が研修やカウンセリングを行う中で、よくあるストレスや悩みに対して解決できる方法をいくつかご紹介します。
1.固定観念を手放し、柔軟な視点を持つ
私たちは日々の生活や仕事において、「こうあるべき」「こうしなければならない」といった固定観念にとらわれがちです。
特に真面目な人ほど、自分で課したルールに縛られやすく、知らないうちにストレスを溜め込んでしまいます。
しかし、これらの考え方は実は一つの選択肢にすぎません。視野を広げ、他の方法やアプローチにも目を向けることが重要です。
多様なアプローチを試す
私は日々、様々な業種・業界の企業様向けにアンガーマネジメント研修を行っております。
アンガーマネジメント研修で学んだ内容は、そのまま実行しなくても、自分なりにアレンジして取り入れていただくのが良いと考えております。
重要なのは、無理なく、やりやすい方法で実践することです。
固定観念にとらわれず、自分に合ったやり方を探しながら行動することで、ストレスを減らし、前向きに取り組むことができるのです。
また、実践を通して学び、改善していくプロセスも大切です。
行動した結果、失敗や間違いがあっても、それを「改善への一歩」と捉え、新しい選択肢を見つけるチャンスにしましょう。
2.目的を明確にする
一方で、目的がはっきりしていないと、努力が無駄に感じられたり、マイナス思考に陥ってしまうことがあります。そうなる前に、まず自分が何を目指しているのかをしっかりと明確にしましょう。
目標を再確認することで、行動がブレず、やるべきことに集中できるようになります。
3.シンプルに考える
私たちはしばしば物事を難しく考えすぎる傾向があります。これがまた、ストレスの原因になりがちです。もっとシンプルに考えることを心がけましょう。
問題を細かく分けて、単純なアクションを積み重ねることで、大きな問題も自然と解決に向かいます。
4.自分に焦点を当てる
人を変えることはできませんが、自分自身の行動や思考を変えることはできます。
周りに期待しすぎず、自分が何をできるのかに焦点を当てましょう。
それによって、コントロールできる範囲内での最善の結果を得ることができます。
5.具体例:上司と部下のコミュニケーション
ここで、ある企業での上司と部下の例を挙げます。
企業Aでは、部下が提出物の期限を守らないという問題がありました。上司は、何度指摘しても改善しない部下にイライラし、「私は全てやるべきことをやった。問題は部下にある」と感じていました。カウンセリングを行ったところ、上司は「報告は部下からするべき」という固定概念があり、上司から部下に対して報告を促す連絡等はしていませんでした。また、上司自身も常に忙しく、普段からの部下とのコミュニケーションを取る事がなかったそうです。
そこでまずは、部下に定期的な報告を求めることから始めました。すると、部下のスケジュールが想像以上に過密であることが分かり、また、誰にも相談せずに自身でスケジュールを組んでいたようです。部下の一つ上の先輩と一緒に、日々の業務を定期的に報告する場を設け、具体的な提出方法や期限を明示することで、問題は解決に向かいました。
上司も「もっと早く部下と向き合っていればよかった」と反省しました。部下もまた、相談することで自分の視野が狭くなっていたことに気づいたのです。
上段では、問題解決のためのいくつかの手法をお伝えしましたが、例であるように誰かに相談することで解決策を導き出すことができます。そういった意味でも上司と部下のコミュニケーションは大切で、話しやすい環境をどのように作るのかを考えることも重要です。
コミュニケーションは質より量が大切だと考えます。今はコミュニケーションツールも沢山増えてきています。これらのツールを活用し、1日5分・10分でも話をすることで、部下が話しやすい環境を作る事ができるのではないでしょうか?
上司の仕事の一つとして、取り入れてみてください。
まとめ
仕事や日常生活での問題解決には、柔軟な思考と行動が必要です。
コミュニケーションの量を増やすこと、目的を明確にすること、自分自身に焦点を当てることによって、より健全な職場環境や人間関係が築けるでしょう。難しく考えすぎず、シンプルに、そして行動を重ねることが、より良い未来への鍵となります。
また、自身で考え行動することも大切ですが、人に話をすることで簡単に解決する場合もあります。
カウンセリングや研修などを活用して、プロへ相談することも是非ご検討ください。