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自分の「べき」を見つめ、怒りのトリガーに気づく

自分の「べき」を見つめ、怒りのトリガーに気づく

人はそれぞれ自分の「べき」という考えをもっています。例えば、「仕事中は雑談すべきでない」といった「~するべきでない・~するべきだ」という自分の考えです。これは決して悪いことではありませんが、考えが強すぎるとそれ以外の方法や可能性を見いだせなくなってしまい、自分自身を追い詰め、怒りやストレスの原因となることがあります。
今回は、自分の中にある「べき」が原因でイライラや不満を感じている方が、実際にアンガーマネジメント研修とコーチングを受講し感じたことや、怒りの感情を客観的に見つめ、行動に落とし込むまでの過程を具体的に紹介したいと思います。ご自身を見つめ直す一つの方法として、参考にして頂けますと幸いです。

アンガーマネジメント研修での気づき

この方は、私が開催したA社の企業研修である「アンガーマネジメント研修」を受講されました。
怒りの感情に無自覚だったものの、研修の中で「べきログ(べき思考を記録するログ)」を書き出してみたところ、自分の中にある「こうあるべき」「こうすべき」が数多くあることに驚いたそうです。
例えば、「なぜ?」と感じる場面が実はイライラの原因だったと気づき、日常の些細な場面で不満が蓄積されていたことを実感したとのこと。
アンガーマネジメント研修を通じて、自分が無意識に抱えている期待や「こうあるべき」という思い込みを手放すことで、少しずつ心が軽くなることを体感されました。
「べき」という考えは自分の中で当たり前のものとして考えていることであり、無自覚の場合が多いです。しかし、その考えが怒りやストレスの原因になっていることも多くあります。そのため、まずは自身の「べき」が何なのかに気づき手放していくことは、とても重要です。

(以下、実際の研修後アンケート内容:一部省略)
 私は怒りについて、自分では意識しておらず、アンガーログよりもべきログをつけてみた所、自分のべきがたくさんありました。書き出した所一日で12個のべきがありました。イラつくというか「なぜ?」という思いが多くあること、これがイラつく、むっとすることだと分かりました。無意識のうちに納得いかない状況だったことがわかりました。おそらく周りには態度で出ていたと思われます。
思考のコントロールにあてはめると、まぁ許せるゾーンがなく、許せないと許せるのどっちか2択でした。今回、別の選択肢を探したところ、相手の状況や周りの状況から、そういうこともあるなと考えられたことにより、その場でむっとすることもなく、過ごせました。先生が言われたように、自分ができることは何なのかを考えたことで、ささいなことかもしれませんが、その場で手放すことができ、自分が楽になれました。これを機に、「アンガーログ」と「べきログ」もつけています。書き出してみると、こんなにあったのかと自分でも驚いています。ありがとうございました。

オンラインコーチングで具体的な行動計画へ

アンガーマネジメント研修を受講後も、この方は、個別にコーチング(オンライン)のお試し60分コースもお申し込みいただきました。コーチングでは、ヒアリングから「ゴール設計→行動計画」を立てました。ゴール・行動計画の具体例を提示しながら、計画を立てるポイントについても、ご紹介いたします。

1.ゴール設計
現状のヒアリングを行い、ご本人にゴール(目標)を決めて頂きます。今回は、以下のゴール(目標)を設定いたしました。
ゴール:
・10月31日までに自分の怒りのトリガーを見つけ出し、対応策をだす。
ゴールを達成するためにできること:
・3か月アンガーログ、べきログをつけること
・自分の怒りのトリガーを見つけ、基準(線引き)を決める
ゴールを達成するためにやめること:
・「無理だ」と言わない
・「忙しい」を言い訳にしない

2.行動計画
ゴール(目標)に対して、いつ、どのようにやっていくのかをヒアリングし、行動計画(PDCA)を立てていきます。今回は、コーチング時に怒りのトリガーも分かっていたため、対策も考えました。

行動計画(PDCA)
アンガーログ:忘れないうちに、できるだけ早くスマホのスケジュールに入力
べきログ:毎週土曜にスマホに入力する
「無理だ」と言わない:毎日、お昼休みと帰宅してからにスマホに〇か✖か記入
「忙しい」を言い訳にしない:毎日、お昼休みと帰宅してからにスマホに〇か✖か記入
出来なかった場合:それでもOKできる時にやる
2週間に一度、先生にメールで進捗状況を報告する

コーチング時に分かっていた「怒りのトリガー」と対処法

自分の指示通りに動かない人がいた時
『分からないことは聞くべき・相談せずに動くべきじゃない・相談するべき』という思考があることが分かりました。

【対策】
・指示後に確認のため相手に内容を復唱してもらう
・チャットにも残す
・相手の思うやり方も聞いてみる
・相手のその日のスケジュールを確認する


会議に遅れてくる人を見た時
『時間は守るべき・スケジュール管理をするべき』という思考があることが分かりました。

【対策】
・遅れそうなときは開始5分前に連絡をしてもらう
・朝、開始時間と相手のスケジュールの確認メールをする
・会議後遅れてきた理由を確認する

行動計画を立てるポイントは、目標達成に向けて「できなかった場合」の対策案も考えること。出来なかった=「あー自分にはできない」「続かない・・・」とマイナス思考になります。マイナス思考は決して悪いことではなく、次にどう行動するかが大切です。人は想定内の出来事には対応出来ますが、想定外のできごとに躊躇したり、焦りや不安を抱き自分を責めやすいので、あらかじめ考えておくことが重要です。
コーチングでは「答えはクライアントの中にある」が前提です。今回のように、頭の中で考えていることを紙に書き出したり、言語化や見える化をしていくことで、整理することができ、自分がするべきことが明確になっていきます。実践していく中でも、進捗状況の確認などのサポートのご依頼があれば対応しています。
今回の具体例を参考に、ゴール・行動計画を立ててみてはいかがでしょうか?

まとめ

日々の生活の中で、私たちはたくさんの「べき」という思考を持っています。今回の研修やコーチングでご紹介したように、自分が抱えがちな「こうあるべき」を可視化することはとても重要です。これにより、日々の業務や生活の中で無意識に感じていたストレスを減らし、柔軟に対応する余裕が生まれます。
また、できなかったことがあっても次の行動に繋げる。このような考え方が、結果的に自分自身を楽にし、より前向きに毎日を過ごせるようになる秘訣だと言えるでしょう。
日々の生活や仕事の中でお悩みのことがございましたら、是非ご相談ください。

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