心が整い始めている日
〜NLP心理学から見る「涙」の本当の意味〜
「泣いてはいけない」
「弱いと思われたくない」
そうやって感情を抑え込みながら、毎日を一生懸命生きている方はとても多いです。
NLP心理学では、人の行動や感情にはすべてポジティブな意図があると考えます。
涙も同じです。
泣くという行為は、心が壊れてしまった証拠ではありません。
むしろ、心が自分を守ろうとしている健全な反応なのです。
泣くことは、心の「調整機能」
NLPでは、感情を「抑えるもの」ではなく「感じて流すもの」と捉えます。
感情はエネルギーです。
感じることを止めてしまうと、そのエネルギーは行き場を失い、心や身体に負担として残ります。
涙が自然に出るとき、私たちの無意識は緊張状態から回復状態へと切り替わっています。
それは「もう頑張り続けなくていいよ」「一度、力を抜いても大丈夫」という、無意識からのメッセージ。
泣いたあとに少し落ち着いたり、心が静かになるのは、本来のバランスを取り戻している証拠です。
泣ける人は、感情とつながれている人
NLP心理学では、感情に気づけることをとても大切にします。
なぜなら、感情は私たちの行動や選択を導くナビゲーションの役割を持っているからです。
泣けるということは、自分の内側で何が起きているかをちゃんと感じ取れているということ。
それは弱さではなく、回復力の高さでもあります。
本当の強さとは、感情を感じないことではありません。
感情を感じた上で、また自分を整えて進める力のことです。
今は「自分」ではなく「状態」なだけ
NLPでは、今の気分や感情を「自分そのもの」とは考えません。
それは一時的な状態(ステイト)です。
今つらい。
今苦しい。
今、泣きたい。
それは「今、そういう状態にいる」というだけ。
状態は必ず変わります。
夜が朝に変わるように、涙の時間も永遠には続きません。
涙のあとに、視野は自然と広がる
感情が解放されると、脳は新しい情報を受け取りやすくなります。
すると、これまで見えなかった選択肢や可能性が自然と目に入るようになります。
涙のあとに訪れる静けさは、人生が次のステージへ進む準備期間。
無理に前向きにならなくて大丈夫です。
まずは、ちゃんと泣いた自分を認めてあげてください。
泣ける自分を、責めずに抱きしめてあげてください
もし今、涙が出るなら、心の中で、こんな言葉をかけてみてください。
「よくここまで頑張ってきたね」
「ちゃんと感じられてえらいよ」
「大丈夫、また整えていける」
その言葉は、あなたの無意識に安心を届け、次の一歩を踏み出す力になります。
泣ける日は、弱い日ではありません。
心が整い、しなやかに強くなろうとしている日なのです。
庄野晴美
