顔が全部違う、心も違う、何もかもが違う。
即ち、人間の一人一人は、他に代わりのいない〝かけがえのない存在〟なのである。
もしも同じものが他にいくつもあれば、 一人、二人がいなくなっても、 いくらでも代わりがいる。
しかし、代わりがいないことは??
「あなたは、地球上のどこにも、 また過去にも将来にも同じものが他にない、 まことに大切な存在である。 もし失われたら、二度とこの世に存在しない 貴重な存在でもあるのだ」。
だから、お互いを尊重し、 大切にしなければならないのである。
もし、みんながそのことに気づいたら、自らの存在の不思議さとありがたさが、そして何よりも貴重な価値が分かるはずである。
後にも先にも、私と同じ人間はこの世に存在しないし、今までも、これからも存在しない。
まさに、人間はすべて、いや人間どころか、すべての命は、他に代わりのいない、かけがえない存在である。
その価値に気がつけば、 生き方がおのずと変わってくるはず。
庄野晴美